仕事中のある日のこと。
そろそろ手をつけておかないといけない仕事があった。
「これ以上遅れるとヤバイかな。でも、面倒なんだよな」
そう、仕事の内容が、考えることが複雑で理解が追いつかないのだ。
あれをこうやって、これがこうだから・・・と、頭の中で考えてはみるけれど、いつも頭がオーバーヒートして考えるの嫌になり後回しにしてしまう。
そんな仕事よりいつものルーティンワークをしている方がはかどるし、特に頭を悩ますことがないし楽だから、とりあえずそちらに重心が傾いてしまう。
やらなければいけない重たい仕事も、いつものルーティンワークを終わらせてから始めるのかといえばそうではなく、ルーティンワークを終わらせると疲れて頭が働かなくなり、「明日でいいや」と問題を先送りにする。
そんな日常が毎日続くのだ。
とうとう期限が迫ってきた
とうとう逃げたくても逃げられない期限が迫ってきた。
もうここで取り組まなくては会社にもみんなにも迷惑がかかる。
そこまで崖っぷちに追い込まれて、やっと重い腰をあげる。
やってみると、問題を先送りにしただけだから内容は変わらない。
わからないなりに進めるが、これでいいのかどうかもわからないから不安になる。
周りに聞こうにも、今まで散々ほったらかしにしておいて聞くことにためらいがある。
もちろん、日々のルーティンワークも後ろに控えている。
それが焦りに拍車をかける。
「はぁ、こんなことならもっと早くから始めればよかった」
後悔先に立たずである。
相談
毎日残業するが終わる気配がない。
どう考えても間に合わない・・・。
意を決して上司に相談する。
「一所懸命やってはいるのですが、この業務が納期までに終わりそうにないんです。どうしたらいいですか」
『納期は守らなければいけない理由があるから決められているんだ。どうして終わりそうにないことがわかってから相談にきたんだ?』
「いや、頑張ってやってはいたんですが、内容が理解できなくて・・・」
『言い方を変えよう。これをキミに任せたのは2ヶ月前だったはずだが、なぜ2日前になって終わらないことを相談にきたんだ?』
『ボリューム的にはどんなに時間がかかっても2週間程度のはずだが、2ヶ月あれば十分お釣りがきてもおかしくないほど時間があっただろう』
「・・・・・・・」
頭の中ではグルグル言い訳が駆け巡る。そうこうしているうちに、
『黙っていてもわからないが?』
『・・・・・では、いつから始めだしたんだ?』
「・・・・・ずっとやらなきゃとは思ってたんです」
毎日気になっていたのは事実だ。
『いつから始めたのかを聞いているんだが?』
「・・・・・1週間前からです」
『ふぅ、話を整理しようか。色々手間がかかったりわからないことがあるのは仕事をやる以上誰にでも出てくることだ。それでも2週間あれば終わる仕事を1週間前から始めて終わると思うのか?残りの1ヶ月と3週間はなにをしていたんだ?』
もう変な言い訳が通じないとわかると、
「2ヶ月前に仕事をいただいてから、まだ時間に余裕があると思って後回しにしていました。1ヶ月前でもまだ大丈夫だと思って放置していました。2週間前になると、そろそろやらないといけないと思いつつも、中身を見ると複雑で内容がなかなか理解できなくて・・・・・」
現在の面倒vs未来の面倒
その仕事をやるための時間はたっぷりと与えてもらっているのに、最終的にはできなかったというお話です。
色々と問題点はたくさんあるのですが、今回は【現在の面倒vs未来の面倒】がテーマとなります。
現在の面倒を未来の自分に押し付けていませんか?
未来の自分が過去の自分に話しかけることができたら、きっと「なんでもっと余裕があるときにやらなかったんだ」「あのときやっていれば、こんなにややこしいことにならなかったのに」「面倒なことはいつも後回しにして、その苦しみのツケを僕に全部押し付けないでくれよ」と言いたいはず。
天秤にかける
面倒なこと、苦しいことを常に天秤にかけよう。
今やるのも面倒だけど現在の自分が現状の問題の大きさでやる方がいいのか。
それとも未来の自分に更に問題を大きくなった状態でやらせるのか。
いまがしんどいんだからいま問題から逃げたい気持ちもすごくわかります。
逃げてその問題が時間が経てば消えてなくなるなら逃げてしまうのもありだと思います。
ただ、逃げても消えない問題は早めに手を付けた方が圧倒的に楽なはず。
未来の自分を助けられるのは現在の自分。
未来の自分を苦しめる問題の先送りはやめてあげよう。
人に優しく、自分には厳しく。でも未来の自分には優しくありたいですね。