私が続けていることに「ストレッチ」があります。
時間にすればわずか10分ほどですが、ほぼ毎日続けています。
今日はそんなストレッチを例えにして話をしてみようと思います。
始めたきっかけ
ストレッチを始めたきっかけは、朝、顔を洗おうと前にかがんだ時のことです。
腰が「ミシミシ」っとなり、曲げるのに違和感を覚えました。
顔を洗うだけで腰が悲鳴をあげるかのように、腰が何かを訴えかけてくるようでした。
「ちょっと前にかかんだだけなのに・・・」と思いながら、このままではダメだと感じ、ストレッチを始めることにしました。
元々身体が固いという自覚はありましたが、前屈をしても到底指が足に届くことはありません。
膝と足首の中間あたりが精一杯の状況でした。
「ここまで固いのか・・・」
今までなにもやってこなかったくせに、ショックを受ける方がおかしなことなのに、ショックを受けている自分がいました。
他にも、車の中で身体をひねって物をとろうとした際に脇腹がつることもありました。
疲れてのびをしたときに肩の辺りがつることもあります。
過去の自分が長年なにもしてこなかったツケが未来の自分として、現在の自分に襲い掛かってきたのでした。
物をとるときやのびをするときにつることがわかっていると、思い切りひねったりのばしたりすることに恐怖を感じ、それに従っていると動きがだんだん小さくなっていくんです。
このまま年を重ねていくことを想像するのも恐ろしくなり、一念発起してストレッチに取り組むことにしたのです。
塵も積もれば・・・
やり始めてみると、どんなポーズをとっていても「イタタタ」となります。
少しやったからといって急に結果が形となって見えることはありません。
これはダイエットと一緒ですね。
長い年月を経て固くなった身体を元に戻そうと思えば、同じ年月をかけて戻すのが筋なのかもしれません。
ダイエットも10年間で10kg太ったら、10年かけて元に戻すのが自然かもしれません。
そう思うと、塵も積もれば山となるという言葉が正しい証明をしたかのようです。
とは言っても、そんなに時間をかけていられないとういのが人情かもしれません。
1年で元に戻すという強い決意のもと頑張ればできるかもしれません。
どういう選択をするのかは人それぞれだと思います。
ただ、長い年月がもたらしたものはそれなりに身体に馴染んでいますから、それを短い期間で取り戻そうとなったら、身体の反発もそれに比例することは想像できます。
ダイエットで言えば、リバウンドということになるんでしょうかね。
長年かけて身体に馴染ませたものは長年かけて元に戻すように身体に馴染ませる。
ということは、長年続けられるやり方にしないといけません。
無理は長年続かないのです。だからこそ、私は1日10分のストレッチにしたのです。
できない理由探し病
ストレッチもやり始めこそ意気揚々とやっていましたが、だんだんやることに抵抗が出てきます。
そうなると、決まって現れ始めるのが「できない理由探し病」です。
「今日は疲れているから」「今日はいつもストレッチをする場所に荷物が置いてあるから、どかしてからやるのは面倒だから」「今はやる気が出ないからあとでやろう」など「できない理由探し病」は饒舌に語り出します。
人から言われると怒りも沸き、それが原動力になるかのように続けられるかもしれませんが、自分自身が相手だとなんと従順であることか・・・。
「今日くらい休んでもいいんじゃない?」「明日からまた頑張ればいいよ」「疲れているときは休むのが一番」などと甘い言葉に囁かれたら、もうついていくしかないのです。
とはいえ、そんな自分に甘えていたら元の木阿弥です。
だからこんな日常生活に支障が出るまで放っておいてしまったですから・・・。
なんとか甘い囁きを振り払い、ストレッチを続けていくにはどうしたらいいか考えてみました。
できない理由探し病に対する対策
最初にしたことは、ストレッチをする時間とタイミングを固定したことです。
時間の空いたときにするのではなく、シャワーやお風呂に入ったあとでする。
仕事から帰ってきたあとは疲れや周りの誘惑に負けてできないことが多かったので、体力が回復していて誘惑が少ない早朝に、シャワーを浴びて頭をスッキリさせてから始めること。
あとは、夜寝る前にストレッチをする場所にヨガマットを置いて準備しておくこと。
もう一つは、スマホのアプリでストレッチの時間を計測してくれるアプリを使うこと。
こうすることで「できない理由探し病」が甘い言葉を囁く前に始めることが可能となりました。
「シャワーの後はストレッチ」と一連の動きをセットにしたこと。
「誰もいない静まり返った早朝」にすることで集中できたこと。
「ヨガマットを準備しておく」ことで脳にストレッチを自然と連想させること。
「スマホアプリで時間を計測」することで各ポーズの移行を音に合わせてできること。
「スマホアプリを使う」ことで、そのアプリのカレンダー機能に自動的にやった日にちにスタンプが押されるので、やったことが「見える化」できたことも続けることの後押しをしてくれました。
続けてきた成果
結果、本当に体調が悪いとき以外は、3年間続けていくことができました。
前屈でも足に手が届くようになり、物をとるときに身体をひねっても、のびをしたときもつることはなくなりました。
それでもたまに前より強く身体をひねるとつることはあるのですが、逆につることによって次はつったところを攻略してやるという気持ちにもなりました。
職場でも毎朝ラジオ体操をするのですが、大半が適当にやるなか、自分がどこまで柔らかくなったのかの確認作業をするのが密かな楽しみになったりもします。
毎日たった10分のストレッチで、身体はやる前よりも見違えるように変わってくれました。
身体のようにはっきりとは見えないけれど、きっと心の面でも変わっているはずです。
未来の自分も同じ自分
現在の自分は過去の自分が作り上げてきた結果を反映しています。
過去の自分がしてきたことを棚に上げて、現在の自分ができないことを嘆いていても仕方がありません。
まずは現在の弱い自分を受け入れることから始め、未来の自分に喜んでもらえるように、現在の自分がやるしかないのです。
未来の自分のために諦めるのはまだ早い。
ストレッチのように始めてすぐに結果が出ずに、結果が出るのに長期間かかるものほど先送りの代償は大きくなるかもしれません。
ただなんの目的もなしにやると途中で挫折しますし、こういう風になりたいという目標がないといつまでやればいいのか先が見えない不安に押し潰されてしまいます。
身体の不自由さをなくす目的のために始めたストレッチという手段が、いつの間にか本来の目的を忘れ、「ストレッチを毎日しなきゃいけない」という強迫観念が、ストレッチのためのストレッチのように手段が目的に擦り変わらないようにもしなくてはいけません。
毎日やる前になにを目指していたのかを頭に描いてから始めると、その目的や目標に沿った形で行動できることでしょう。
私はと言いますと、最初の目標の「前にかがんでも腰が悲鳴をあげない」ということは達成しています。
そうなると少し欲が出てきて、次の目標は「手のひらが床につくこと」になりました。
ただ、これが難しく、ある一定のとこから進展がない状態が続いています。要するに壁にぶち当たっているということですね。
こうなると、なにがネックで進まないのか、違うやり方で攻めた方がいいのか、このままのやり方で続けていたら壁を越えられるのか、と色々試行錯誤している最中です。
「壁にぶつかる」ということは、進歩してきた証でもあり、乗り越えるとより進歩できることを示してくれていることなので、壁に恐れずに、むしろ喜んで、正面から向き合っていきたいですね。