きまぐれな紡ぎ手

日々の気づきや思いを綴っています

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仮面を外した働き方で、心のバランスを失う人たちへ

― 見せたくない顔まで見えてしまう時代に ―

リモートワークが当たり前になり、
仕事と生活の境界がどんどん薄れていきました。

けれど、その変化の裏で、
人に見せたくない自分を、見せてしまう環境」が生まれたのも事実です。

職場では“仕事の仮面”をかぶれた。
でも家では、その仮面がかぶれない。
素の自分と仕事の自分が混ざり合い、心のバランスが崩れていく。

 

仕事には、いろんな顔がある

仕事の内容によっては、華やかな瞬間もあれば、泥臭く地道な時間もある。
うまくいって楽しい日もあれば、ストレスやプレッシャーに押しつぶされそうな日もある。

誰にでも、見せたい顔と見られたくない顔がある。
それが人間らしい働き方です。

オフィスで働いていた頃は、
その“仕事の顔”を職場という舞台で演じ、
家に帰れば仮面を外して“自分”に戻ることができた。

でも、仕事と家の境界線がなくなると、
その切り替えができなくなり、心のバランスも崩れてしまう。

 

かつての「仮面」は、心を守るためのスイッチだった

上司の前では強がり、
同僚には柔らかい笑顔を見せ、
お客様の前では誠実でいる。

それは決して偽りではなく、
心を守るための社会的スイッチだったのです。

仮面をかぶることで、
不安を抑え、気持ちを整え、仕事に集中できた。
ある意味、“演じること”が人を安定させていました。

 

リモートワークで「仮面」がかぶれなくなった

リモートワークでは、そのスイッチがなくなりました。
家という“素の自分の空間”で働くことで、
仕事の顔と家の顔の境界が消えてしまったのです。

画面越しに同僚や上司がいても、
現実には家族の生活音が聞こえる。
仕事の緊張と家庭の安心が同じ空間で混ざり合う。

家では素の自分でいたい。
でも、仕事中は「素」ではいられない。

この矛盾が、少しずつ心をすり減らしていくのです。

 

家族には見せたくない「仕事の顔」もある

会議で真剣に話しているときの表情。
怒られて悔しいときの顔。
緊張で声が硬くなる瞬間。

家族には見せたくない姿が、
リモートワークではすべて日常の一部になってしまう。

家庭という安心の空間に、職場の緊張が入り込む。
その違和感は、家族にも、あなた自身にも負担となっていきます。

家でリラックスしている自分と、
仕事で戦っている自分。
そのどちらも本物なのに、
同じ空間では共存しづらい。

 

心のバランスを保つための「小さな切り替え」

仮面を完全に外す必要はありません。
必要なのは、状況に応じて切り替える意識です。

仕事とプライベートの切り替えが難しいリモートワークだからこそ、
自分の中に“出勤スイッチ”をつくることが大切です。

・家であっても、仕事のときは出勤していたときと同じ服装にして気持ちを切り替える
・コーヒーを淹れて仕事モードに入る
・終業後に机を片付ける
・照明を変えて気分をリセットする

こうした小さな行動が、
失われた境界を取り戻し、心を整えるスイッチになります。

仮面をつけることは、偽ることではない。
自分を守るためのやさしさだ。

 

仮面を持つことは、弱さではなく、やさしさ

誰にでも、見せたくない顔がある。
それは、人との距離を保ちながら生きる自然な防御反応です。

完全な素顔で働くことが正解ではありません。
むしろ、すべてをさらけ出そうとすると、心が疲れてしまう。

心のバランスとは、仮面を持つことを恐れないこと。
そして、必要なときに外せる勇気を持つこと。

素の自分と仕事の自分、
どちらかを否定するのではなく、
両方を受け入れて生きることが、本当の強さです。

 

おわりに

仮面を外せば、たしかにラクになる。
でも、同時に心はむき出しになる。

リモートワークの時代、
私たちは“心の防具”を失いかけているのかもしれません。

仮面をかぶるのは逃げではない。
それは、他人にも、自分にも優しくあるための工夫。

見せたい顔も、見せたくない顔もある。
その両方を抱えながら働くことが、
いちばん人間らしい働き方だと思う。

 

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