きまぐれな紡ぎ手

日々の気づきや思いを綴っています

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嫌なことはなくならない。良いことだけで生きても、結局“嫌”は生まれる。

■「嫌なことを避けても、また別の“嫌”がやってくる理由」

「嫌なこと、なくしたい」
そう思わない人はいないですよね。
でも残念ながら、嫌なことはゼロにはならない
むしろ、なくそうとするほど増える。
まるでホコリみたいに。掃除しても、またすぐ出てくる。

 

■ 良いことだけで過ごしたい。でも、それが地獄になる?

仮に「良いことだけの世界」があったとします。
毎日天気は快晴、上司は優しく、家族も仲良し、給料も右肩上がり。
一見最高。でも、これが続くとどうなるか。

「最近、天気が良すぎて日焼けが嫌だな」
「優しい上司、ちょっと頼りないな」
「給料は上がってるけど、上がり方が遅くない?」

――出た。
“良い中での一番悪いもの”が、嫌なことに変わる。

人の心は相対的です。
100点の中にある90点を「悪い」と思ってしまう。
「悪いこと」がなくなると、脳が勝手に「基準」をずらして、
その中で“嫌”を作り出してしまうんです。

 

■ 嫌なことを作っているのは、結局「自分」

「いやいや、嫌なことを作ってるのは上司だろ!」
「天気だろ!」「社会だろ!」
……と言いたくなる気持ち、わかります。めっちゃわかります。

でも冷静に考えると、
上司の言葉が「嫌」と感じるのも、
雨の日が「嫌」と思うのも、
自分の感じ方なんですよね。

同じ出来事でも、
・「上司に注意されて腹が立つ人」もいれば、
・「注意してもらえてありがたい」と思う人もいる。

つまり、「嫌なこと」は出来事そのものじゃなく、
自分の解釈が生み出しているんです。

 

■ 「快楽順応」という心理トリック

心理学では、「快楽順応(ヘドニック・トレッドミル)」という言葉があります。
どんなに良いことが起きても、人はすぐ慣れてしまう。
宝くじが当たっても、数か月後には幸福度が元に戻るという有名なデータもあります。

良いことに慣れてしまうと、
次は「もっと」を求め始める。
そして、「今の状態の中で一番良くないこと」を見つけて嫌がる。

要するに、嫌なことが外から来るんじゃなくて、自分の脳が“見つけに行く”んです。
これ、なかなか厄介。

 

■ 嫌なことをなくす努力は、むしろ逆効果

「嫌なことをなくす」ために、
職場を変えて、人間関係をリセットして、住む場所を変えても、
結局また「別の嫌なこと」が生まれる。

たとえば、
「人間関係が嫌だ!」と在宅ワークに切り替えた人が、
「孤独がつらい…」と言い出すように。

嫌なことの形が変わるだけで、本質はついて回る。

 

■ 嫌なことがあるから、良いことがわかる

じゃあもう諦めるしかないのか?
……そうでもありません。

「嫌なこと」があるからこそ、
「良いこと」の輪郭がはっきりするんです。

暗闇があるから光がわかるように、
静けさがあるから賑やかさを楽しめるように、
嫌なことがあるからこそ、「これは幸せだな」と感じられる。

もし嫌なことが一切なかったら、
幸福の基準がどんどん上がって、
最終的には「退屈」が一番の地獄になるでしょう。

 

■ 「嫌なこと」は人生のバランス調整役

人生って、ちょうどいいバランスを取りたがるようにできてます。
仕事がうまくいけば、家の中でトラブルが起きたり。
プライベートが絶好調のときに限って、仕事が忙しくなったり。

まるで「嫌なこと」がバランサーみたいに働く。
それは、「全部が良い」になった瞬間、人は満足ではなく退屈を感じてしまうから。

だから嫌なことって、実は「人生の味付け」なんです。
カレーのスパイスみたいなもので、入れすぎると辛いけど、
ゼロだと味がボケる。

 

■ 「嫌なことをなくす」より「付き合い方を変える」

大切なのは、嫌なことをゼロにすることではなく、
嫌なこととの距離の取り方を変えること。

・「これは本当に嫌なのか?」
・「嫌と感じてるだけで、実は学びかも?」
・「この嫌が、自分の大事にしてる価値観を教えてくれてるのかも?」

こんな風に“ひと呼吸おいて”考えると、
嫌なことが「人生の敵」から「案内人」に変わります。

 

■ 嫌なことが教えてくれる「自分の輪郭」

最後に大事なこと。
嫌なことを感じるのは悪いことじゃない。
むしろ、「自分の中にある大事な価値観」を教えてくれるサインです。

「これが嫌だ」と思うのは、
「自分はこうありたい」という気持ちがあるから。
つまり、嫌なことは自分を知るための鏡なんです。

だから、嫌なことが起きたときはこう言ってみましょう。

「おっ、また自分の“好き”がわかるチャンスが来たな」と。

 

■ 結論:「嫌なことを作っているのは自分。でも、それでいい」

嫌なことを完全になくすことはできません。
なぜなら、嫌なことを感じる“感性”こそが人間らしさだからです。

嫌を感じる自分を責めるよりも、
「自分は今、何に反応しているのか」を観察してみる。
それだけで、嫌なことの意味が少し変わります。

結局、嫌なことを作り出しているのは自分。
でも、それがあるからこそ、良いことを感じる力もある。
だから――「嫌なこと」は、なくならなくていいんです。

 

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