自分の頭で考えてみる|判断基準を自分の中に戻すということ

人の意見を聞くことは、大切です。
自分ひとりでは気づけないことがあります。
誰かの経験から学べることがあります。
本の中の言葉に助けられることもあります。
周りの人の考え方を知って、少し視野が広がることもあります。
だから、自分の頭で考えるというのは、
人の意見を聞かないことではありません。
人に頼らないことでも、
全部ひとりで答えを出すことでも、
誰かと違う結論を選ぶことでもありません。
むしろ、人の意見を聞いたあとにこそ、
一度、自分の頭で考えてみることが必要なのだと思います。
それは、受け取った言葉をそのまま飲み込むのではなく、
今の自分に合う形へ置き直してみることです。
「これは、今の自分にも合うだろうか」
「そのまま取り入れて苦しくならないだろうか」
「どの部分なら、自分にも使えそうだろうか」
「自分の現在値に合わせるなら、どんな形になるだろうか」
そうやって、一度自分の中を通してみる。
それだけで、人の言葉との付き合い方は少し変わります。
この記事では、人の意見を聞いたあとに、自分の頭で考える意味を整理します。
判断基準を自分の中に戻し、考えてきたことを自分の力にしていく視点をまとめました。
自分で考える前に、まず頭の中を少しほどくことが必要なときもあります。
関連記事:考えるのが怖いときに、頭の中の絡まりをほどく方法
人の意見を選んでも、自分で考えた答えになる理由
自分の頭で考えるというと、
人の意見とは違う答えを出さないといけないように感じるかもしれません。
でも、そうではないと思います。
最終的に、人の意見を選んでもいいのです。
誰かの考えに納得して、その通りにしてもいい。
本の言葉を読んで、「たしかにそうかもしれない」と受け入れてもいい。
周りの人のやり方を見て、「自分も一度やってみよう」と思ってもいい。
人の意見を選ぶこと自体が、悪いわけではありません。
大切なのは、
何も考えずに流されたのか、
一度自分の中を通して選んだのか、
その違いなのだと思います。
同じ結論でも、流された答えと、自分で選んだ答えは少し違います。
人の意見を選んだとしても、
「なぜ自分はそれを選ぶのか」
「今の自分にも合っているのか」
「このまま取り入れて無理はないか」
と考えたうえで選んだなら、それはもうただ流された答えではありません。
それは、自分で選んだ答えです。
自分の頭で考えることは、人の意見に逆らうことではありません。
人の意見を、自分の選択に変えていくことなのだと思います。
人生は決断の連続でできている
人生は、決断の連続です。
大きな決断だけではありません。
今日どう動くか。
何を続けるか。
何を変えるか。
誰の言葉を受け取るか。
どこで立ち止まるか。
どこで一歩進むか。
そういう小さな決断の積み重ねで、毎日はできています。
そして、その決断のたびに、
自分が何を基準に選んでいるのかが、少しずつ表れます。
人にどう見られるか。
周りに合わせた方が安心か。
誰かに遅れているように見えないか。
怒られないか。
変に思われないか。
そういう外側の基準だけで選ぼうとしているとき、
心は少し苦しくなります。
もちろん、人の意見を参考にすることは悪くありません。
人の意見を聞くからこそ、視野が広がることもあります。
自分だけでは見えなかった選択肢に気づけることもあります。
誰かの言葉が、自分を助けてくれることもあります。
けれど、
他人の意見を参考にすることと、判断基準を他人に預けることは違います。
人の意見を選んでもいい。
けれど、その判断基準まで人に預けなくてもいい。
自分の頭で考えることは、
決断のたびに、判断基準を自分の中へ戻していくことなのだと思います。
自分軸か、他人軸かを一度見てみる
何かを選ぶとき、
自分にこう問いかけてみるだけでも、少し変わります。
「これは、自分の中から選んでいるのか」
「それとも、外側に合わせようとしているだけなのか」
自分軸で選ぶとは、
いつも自分の好きなようにすることではありません。
人に合わせないことでも、
人の意見を聞かないことでも、
自分の考えを絶対に曲げないことでもありません。
自分軸とは、
自分の中で一度考えてから選ぶことです。
自分軸で選ぶと聞くと、「わがままになるのでは」と不安になることもあります。
関連記事:自分を優先することと、わがままの違いを整理する
反対に、他人軸とは、
人の意見を聞くことそのものではなく、
判断基準をすべて外側に置いてしまうことなのだと思います。
「みんながそうしているから」
「あの人が正しそうだから」
「反対されるのが怖いから」
「自分だけ違うと思われたくないから」
そういう理由だけで選び続けると、
だんだん自分の気持ちが遠くなっていきます。
でも、一度でも自分の頭で考えると、
選び方に少し余白ができます。
人の意見をそのまま選ぶのか。
一部だけ取り入れるのか。
今の自分用に小さくするのか。
今回は少し距離を置くのか。
その選択肢が見えてきます。
自分の頭で考えることは、
自分を強く見せるためではなく、
自分の選択を自分の場所へ戻すためにあるのかもしれません。
借りた言葉を、自分の言葉にしていく
たとえば、誰かが
「毎日続けることが大事」
と言ったとします。
その言葉は、きっと間違いではありません。
続けることで見えてくるものはあります。
積み重ねることでしか育たないものもあります。
でも、今の自分にとって「毎日」が重すぎるなら、
そのまま受け取らなくてもいいのです。
「毎日」ではなく、
「週に一度ならできるかもしれない」
「今日は五分だけならできるかもしれない」
「今は続けるより、まず始めやすくする方が大事かもしれない」
そう考え直してもいい。
人の言葉を自分用に小さくすることは、逃げではありません。
自分の現在値に合わせて、使える形にすることです。
誰かの正解を、自分の不正解にしない。
誰かのやり方を、自分を責める道具にしない。
そのために、自分の頭で考えてみる。
借りた言葉を、そのまま背負わなくていい。
自分の生活に合う形へ整えていけばいい。
そうやって少しずつ、
人の言葉は、自分の言葉になっていきます。
考えたことは、未来の自分の引き出しになる
自分の頭で考えることは、
その場で正しい答えを出すためだけのものではありません。
考えてみたけれど、うまくまとまらないこともあります。
考えた結果、やっぱり人の意見を選ぶこともあります。
自分で選んだつもりでも、あとから「少し違ったかもしれない」と気づくこともあります。
それでも、一度自分の頭で考えたことは、
何も残らないわけではありません。
「自分は何に迷いやすいのか」
「どんな言葉に流されやすいのか」
「何を大切にしたいと思っていたのか」
「どんなやり方なら、自分にも使えそうなのか」
そういう小さな気づきが、
未来の自分の引き出しになっていきます。

すぐに正解にならなかった考えも、
あとから別の場面で役に立つことがあります。
考えてきたはずなのに、同じところでつまずくと、自分を責めたくなることがあります。
関連記事:失敗を自分責めで終わらせず、次に活かす整理の仕方
あのとき考えたから、今は少し立ち止まれる。
あのとき迷ったから、次は自分に合う形を探せる。
あのとき一度自分の中を通したから、今は流されているのか、選んでいるのかに気づける。
自分の頭で考えることは、
未来の自分に使える引き出しを増やしていくことでもあるのだと思います。
過去に考えてきたことが、いまの自分を助ける
そして、その引き出しは未来だけでなく、
今の自分を助けていることもあります。
過去に自分の頭で考えてきたことが、
いまの自分の助けになることがあります。
あのときは答えが出なかった。
迷っただけで終わった。
結局、人の意見を選んだ。
うまくいかなかった。
あとから違ったと気づいた。
そんなふうに感じていたことでも、
あとから振り返ると、自分の中に小さな判断材料として残っていることがあります。
「前にも似たことで迷った」
「あのときは焦って選んで苦しくなった」
「あの言葉は助かったけれど、そのままだと自分には少し重かった」
「自分には、少し小さくした方が続けやすかった」
そういう記憶が、いまの自分を助けてくれる。
だから、考えた時間は無駄ではありません。
答えが出なかった時間も、
迷っていた時間も、
遠回りに見えた時間も、
自分の中から消えてしまうわけではありません。
過去に考えてきたことが、いまの自分を助けてくれる。
そして、いま考えていることが、未来の自分の引き出しになる。
そう考えると、
自分の頭で考えることは、少しやさしいものに見えてきます。
正解を急いで出すためだけではなく、
これからの自分を助ける判断材料を、少しずつ増やしていくこと。
それが、自分の頭で考えてみるということなのだと思います。
自分で考えてきたことは、やがて自分の力になる
自分の頭で考えることは、孤独になることではありません。
人から学びながら、
人の言葉を借りながら、
人の意見に助けられながら、
それでも最後に、自分の足元へ戻してみることです。
人の意見を聞く。
でも、一度自分の中で考える。
考えたうえで、必要なら人の意見を選ぶ。
違うと思えば、自分用に形を変える。
あとから違ったと思えば、また修正する。
その繰り返しでいいのです。
自分の頭で考えることは、何か特別な才能ではありません。
毎日の小さな決断の中で、少しずつ育っていくものです。
「これは、自分の中から選んでいるのか」
「それとも、外側に合わせようとしているだけなのか」
「今の自分に合う形にするなら、どうなるのか」
そう問い直すたびに、
判断基準は少しずつ自分の中へ戻ってきます。
そして、その積み重ねが、自分の軸を育てていく。
自分の頭で考えることは、自分に戻る練習です。
すぐに答えが出なくてもいい。
迷っただけで終わる日があってもいい。
結局、人の意見を選ぶことがあってもいい。
それでも、一度自分の中を通して考えたことは、
何も残らないわけではありません。
自分で考えてきたことは少しずつ積み重なって、
やがて自分を支える力になっていきます。
揺れても戻れる軸は、
そうやって少しずつ、自分の中に育っていくのだと思います。
自分の頭で考えることは、すぐに正解を出すためだけのものではありません。
迷いながら考えた時間も、少しずつ自分の判断材料になっていきます。
もし「考える練習」をもう少し続けてみたいと感じたら、本の言葉を借りて整理してみるのもひとつの方法です。
まず本で整理したい人へ
考える練習
自分の頭で考える力を、少しずつ育てていきたいときの一冊です。
※すぐに答えを出すためというより、考え方を少しずつ整えたい人向けです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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また次の記事も、少しでも気持ちや考えを整理しやすくなるように書いていきます。