「自分は正しい」と思った瞬間、考えることをやめていませんか?
「いや、自分は間違ってない!」
──はい、それ、思い込みです。
言い切ってスッキリする気持ちはわかります。
でもね、それと引き換えに“考えること”を放棄していませんか?
■ 思い込みは「考えるのをやめた瞬間」に生まれる
人間って、本来は「考える生き物」です。
でも、考えるってエネルギーを使うんですよね。
脳が「めんどくさいな」と思った瞬間、スイッチを切るんです。
そうして生まれるのが、“思い込み”という便利な省エネモード。
「たぶんこうだろう」
「前もこうだったし、今回も同じでしょ」
──これ、全部思考停止のサインです。
一度“結論”を出したつもりになると、人はもう疑わない。
だって、そのほうが楽だから。
でもね、その楽さが曲者なんです。
■ 「思い込み」は“安心”という名の麻酔
思い込みの正体は、安心への依存です。
不確実な世界の中で、「これが正しい」と信じていられたら、心が落ち着く。
迷わなくて済むし、怖くもない。
でも、それは麻酔です。
考える痛みを感じなくなる代わりに、現実に鈍感になる。
「きっとあの人は自分のこと嫌ってる」
──そんな思い込み一つで、人間関係がねじれる。
本当はただ忙しいだけなのに、勝手に距離を取ってしまう。
つまり、思い込みは「自分を守る鎧」でもあり、
同時に「自分を閉じ込める檻」でもあるんです。
■ 思い込みが壊す3つのもの
-
人間関係
誤解を前提に会話すると、何を言われても“攻撃”に聞こえる。
「またそういう言い方…」なんて、勝手に怒って勝手に疲れる。 -
成長のチャンス
「どうせ無理」と決めつけた瞬間、挑戦の扉は閉まります。
やる前から“終わったこと”にしてしまうのです。 -
柔軟な思考力
「前もこれでうまくいったから」と、同じ方法に固執する。
でも時代も環境も変わってる。
それに気づけないのは、思考停止の典型です。
■ 思い込みは“過去の成功”が作る
意外かもしれませんが、思い込みって「失敗」からよりも「成功」から生まれやすいんです。
うまくいった経験が、「これが正しい」という強烈な信念になる。
でも、成功体験は過去のものであって、未来の保証ではない。
たとえば、
「昔はこのやり方で売れた」
「この方法がうちのやり方だから」
──はい、それ、今の時代に合ってます?
過去の正解を握りしめたまま進めば、いつの間にか“時代遅れ”の人になります。
アップデートされない正解ほど、危険な思い込みはないんです。
■ 思い込みを外すための“セルフツッコミ術”
では、どうすれば思い込みの檻から抜け出せるのか。
答えはシンプルです。
自分にツッコミを入れること。
-
「それ、いつの情報?」
「前もそうだった」は“いつの前”?
昨日?去年?昭和?
時間が経てば、正解なんていくらでも変わります。 -
「本当にそう?」
自分の言葉を一度、疑ってみる。
「本当にそうかな?」と口に出すだけで、
脳が再起動します。 -
「他の人ならどう見る?」
別の視点を取り入れるだけで、
見えなかった真実が浮かび上がることもあります。
思い込みを壊すのは、論破でも正解探しでもなく、
ほんの少しの疑問を持つ勇気なんです。
■ 思考を止める人ほど、“考えている気”になる
ここが一番怖いところ。
思い込みが強い人ほど、自分が思考停止していることに気づきません。
「自分で考えてるつもり」が一番厄介なんです。
実はそれ、考えてるようで“確認作業”しかしていないことが多い。
つまり、「自分の意見が正しいことを証明するために考えてる」。
──それ、考えるじゃなくて自己防衛です。
■ 思い込みを壊す人は、変化に強い人
「自分は間違っているかもしれない」
そう認めることは、弱さではなく、柔軟さです。
人は成長するとき、必ず何かを疑う。
それは過去の自分かもしれないし、周囲の常識かもしれない。
だけど、その疑いが「考える力」を育てていく。
つまり、
思い込みを壊す=思考を取り戻す。
それは怖いことじゃない。
むしろ、自分を新しく作り直すチャンスなんです。
■ 最後に:今日のツッコミは、未来のアップデート
思い込みを完全になくすことはできません。
誰だって、自分の見方にバイアスがあります。
でも、違いは“気づこうとするか”どうか。
疑う勇気を持つ人だけが、常に進化し続けられる。
だから今日も、ツッコミましょう。
自分に。
「おい、それ本当に正しいか?」って。
その一言が、あなたの世界をもう一度広げてくれます。
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