
「自分はできる人間だ」と思い込んでしまうとき
「自分はできる人間だ」
そう思っていると、
-
「本気を出せばいつでもできる」
-
「今はやっていないだけ」
-
「こんな簡単なことは、わざわざやらなくても大丈夫」
…こんな風に考えてしまうことはありませんか?
そして、“簡単なこと”“当たり前のこと”を、
いつの間にか軽く見て、やらなくなっていってしまう。
一見すると「自信がある」「自己肯定感が高い」ように見えますが、
その自信が根拠のない思い込みだった場合、
あとで自分を苦しめることになります。
思っていた自分と、本当の自分にズレが出てくるとき
やっかいなのは、その自己評価が
きちんとした裏付けではなく、
過去のちょっとした成功体験の寄せ集めになっていることです。
-
昔、少しだけ成績が良かった
-
仕事をちょっと褒められた
-
周りより少し覚えが早かった
そんな経験が積み重なると、
「自分は人よりできる側にいる」
「やればできる人間なんだ」
というイメージだけが、心の中で大きくなっていきます。
でも、実際の行動はどうでしょうか。
-
コツコツ続けるのは苦手
-
面倒なことはつい後回し
-
「そのうちやろう」で終わることが多い
このギャップに、ある日ふと気づいたとき、
心の中でモヤモヤが大きくなり始めます。
自分より下だと思っていた人に、地力で負けたときの衝撃
特にショックなのは、
「正直、あの人よりは自分の方ができるだろう」
とどこかで思っていた相手に、
地力であっさり抜かれていると気づいた瞬間です。
-
気づいたら結果を出している
-
地味な作業をコツコツ続けている
-
周りから信頼される存在になっている
そんな姿を見たとき、
「あれ? もしかして、地力で負けてる……?」
と認めざるを得ない瞬間がやってきます。
そのとき、心の中にはいろいろな感情が渦巻きます。
-
悔しさ
-
情けなさ
-
焦り
-
嫉妬
-
「自分は何をやってきたんだろう」という虚しさ
実は、ここからどう行動するかが運命の分かれ道なのかもしれません。
分かれ道①:プライドを守るために、現実から目をそらす道
ひとつのパターンは、
プライドを守るために現実から目をそらしてしまう道です。
例えば、
-
「あの人は要領がいいだけ」
-
「運が良かっただけ」
-
「自分はまだ本気を出していないだけ」
と、相手や環境のせいにしてしまう。
一瞬、心はラクになります。
「自分はまだできるはずだ」という幻想を守れるからです。
でもその代わり、失うものも大きいです。
-
本当の意味で成長するチャンス
-
自分の弱さと向き合うきっかけ
-
ここから積み上げ直すスタートライン
これらを、じわじわと手放してしまうことになります。
そして気づいたときには、
「思っていた自分」と「実際の自分」の差が、さらに広がっていくのです。
分かれ道②:悔しさを抱えたまま、「思い込みの自分」と向き合う道
もうひとつの道は、はっきり言って、楽ではありません。
-
「自分はそこまでできる人間じゃなかったのかもしれない」
-
「本気を出せばできる、はただの言い訳だったのかもしれない」
と認めるのは、とても勇気が要ります。
プライドは傷つきます。
落ち込むこともあるでしょう。
しばらくは自己嫌悪も出てくるかもしれません。
それでも、
「じゃあここから、地力をつけていこう」
「“できる人風”ではなく、“本当にできる人”に近づいていこう」
と決めることができれば、
そこからが本当のスタートラインになります。
地力のある人は、特別な才能より「簡単なこと」を大事にしている
地力がある人って、
特別な才能を持っているというよりも、
当たり前のことを当たり前にやり続けている人です。
例えば、こんな特徴があります。
-
派手さはなくても、基本をサボらない
-
面倒でも、必要な準備や確認をきちんとやる
-
毎日の小さな積み重ねを大事にする
逆に、「できる人だと思われたい自分」が強いほど、
-
雑用や基礎をバカにしてしまう
-
練習や復習を飛ばしたくなる
-
小さな確認や、地味な準備を後回しにする
という行動パターンになりがちです。
でも、実力の差は「簡単なこと」の積み重ねでじわじわ広がるもの。
だからこそ、「簡単だからやらない」のではなく、
「簡単だからこそ丁寧にやる」ことが、大きな差になっていきます。
今日からできる、小さな「地力アップ」の一歩
もし今、
「思っていたより自分はできなかったのかもしれない」
と感じてしんどくなっているなら、
それは「終わり」ではなく、
「ごまかしきれなくなった自分」が、本音を教えてくれているサイン
かもしれません。
ここからできる小さな一歩を、いくつか挙げてみます。
① 自己評価をいったんフラットにする
「自分はできる」も「自分はダメ」も、
どちらも極端なラベルです。
-
「できるところもあれば、できないところもある」
-
「得意なこともあれば、苦手なこともある」
まずは、これくらいのフラットな見方に戻してみる。
それだけでも、心の負担は少し軽くなります。
「全部できる人」になろうとするより、
「できない部分を少しずつ減らしていく自分」を目指した方が、長く続きます。
② 「簡単だからバカにしていたこと」を一つだけ、丁寧にやってみる
例えば、
-
毎日の振り返りを3分だけ書く
-
期限を守る
-
約束したことを先延ばしにしない
-
説明書やマニュアルを、最初にきちんと読む
こういう「やればいいのはわかっているけど、避けてきたこと」を
一つだけ選んで、丁寧に続けてみる。
それだけでも、少しずつ地力の土台が変わっていきます。
③ 比べる相手を「他人」から「昨日の自分」に変えてみる
自分よりできる人を見て落ち込むのは、自然なことです。
でも、比べる軸を少し変えてみます。
「あの人に勝つかどうか」ではなく、
「昨日の自分より、ほんの少しでも前に進めたか」
に視点を移してみる。
-
昨日より5分早く取りかかれた
-
先延ばしにしなかった
-
ちゃんと確認してミスを防げた
こういう小さな変化を、自分で認めてあげること。
それが、地力を上げていくうえでとても大事です。
思い込みの「できる自分」を手放しても、あなたの価値は減らない
最後に、一番伝えたいことです。
「自分はできる人間だ」という思い込みを手放しても、
あなたの価値が下がるわけではありません。
むしろ、
-
思い込みをいったん脇に置いて
-
足りないところを素直に見つめて
-
小さな行動から積み直していく
その姿勢そのものが、
とても誠実で、強い生き方だと私は思います。
「できる人間でありたい」という気持ちも、
「本当はそんなにできていないかもしれない」という不安も、
どちらもあっていい。
そのうえで、
「じゃあ、今日は何を一つ、丁寧にやってみようか」
と自分に問いかけて、
ささやかな一歩を積み重ねていけば大丈夫です。
今、しんどさを感じているなら、
それは本当の自分とちゃんと向き合い始めた証拠。
すでにあなたは、
運命の分かれ道で“いい方の道”に、一歩足を踏み出しているのかもしれません。

【ランキング参加中】
いつも応援クリックありがとうございます。
「思い込みの“できる自分”に疲れたときは、また読みにきてください。応援クリックもらえたら、静かに地力を育てる記事をこれからも書いていけます。」
※押さなくても、最後まで読んでくださっただけで十分うれしいです。